こんにちは!個別グノリンクの『小学生の君に送る60秒コラム』を読んでくれてありがとう。今日は【時系列】についてです。

 

物語は、必ずしも過去から現在、未来へと一直線に書かれるとは限らないのですが、どうもこの落とし穴にはまってしまう人が一定数、見受けられます。

では、さっそく次の文章で確かめてみましょう。

 

「あっ」

思わず声が出た。この感じ…そう、小学3年生の夏のピアノコンクールの時と同じだ。心臓が口から出てきそうな不快感に加えて、足の震えが止まらない。

あの時もそうだった。

初めてのコンクール、本番まであと一人。早く過ぎて欲しい気持ちと、まだ来ないで欲しいという気持ちがグルグルし……気がつくと医務室に寝かされていた。天井を見ながら、熱いものがとめどもなく流れていた。

拍手が聞こえる。ほどなくして自分の名前が呼ばれた。2年が過ぎたのだ。もう絶対に、あの時の二の舞は踏むまい。ぼくは大きく深呼吸をし、光が当たるピアノへと向かった。

 

コンクールの本番を待つ(今)→2年前の出来事(過去)→舞台へ向かう(今)と、時間が流れていることがわかりますよね。そして、この回想シーンがあることで過去を乗り越える心の変化、主人公の強い決意が際立つのです。決して読み飛ばしてはいけません。

時系列が苦手な人は、「過去の場面」と「現在の場面」の違いに気づかずに読んでしまいがちです。日頃から「これっていつの話?」と、時間の流れに気を配ることが大事です。