こんにちは。個別指導グノリンクの 『リンクペディア 3分コラム』を読んでくれてありがとうございます。

この記事ではグノリンク の英語授業で出た質問と、それに対する解決のアプローチをご紹介します。最後にグノリンク の授業方法について簡潔にまとめます。問題は実際のものとは異なりますが、質問は実質的に同じものです。

問題

下線部を日本語に訳しなさい。(ある参考書中の問題だと仮定します)I was young and ill-educated and I had had to think out my problems in the utter silence that is imposed on every Englishman in the East. I did not even know that the British Empire is dying, still less did I know that it is a great deal better than the younger empires that are going to supplant it.
George Orwell, Shooting an Elephant

 

生徒の質問
下線部の構造がどうなっているのかわからない。

グノリンク の授業紹介

この質問を受けて、講師は生徒と以下のようなやりとりをします(このやりとりは、実際にグノリンク で行われている授業を念頭において創作されたものです)。

講師
この問題は、何がテーマの章の中の問題でしたっけ。
講師 この問題は、何がテーマの章の中の問題でしたっけ。
生徒 倒置です。
講師 なるほど。では、自分でどんな風に考えたか教えてもらっていいですか。
生徒 文の前半は大丈夫でした。でも、still less did の部分がわからなくて。この did は何の代わりをしているんですか。dyingですか。
講師 あ、ということは、このdidが代動詞であると考えているということですよね。で、その前提でいくと、確かにdieの代わり、もしくはknowの代わりをしているといえそうですね。
生徒 でも、それだと意味が通らなくって…
講師 そうそう。それがわかっていることが重要。ということは、背理法みたいな感じだけど、このdidは代動詞ではないことになる。
生徒 はい。
講師 だから始めから考え直さないといけない。今週、この参考書で倒置について勉強してもらったと思いましたが、倒置とは何のことか説明できますか。
生徒 変な語順になることです。SVOとかが変な語順になる。
講師 そうそう。先生によって、倒置という言葉の意味の範囲は違うんだけど、とりあえずここでは、「主語と動詞の語順が変わること」と定義しておく。では、実際、どんな風に倒置が起こるんだっけ?
生徒 え、それは、SVじゃなくなる…
講師 あ、ちょっとそこの理解が甘いかもしれない。
生徒 うーん。
講師 倒置の仕方には二種類がある。この参考書で学んだ倒置は、そのうちの一つで疑問文の語順になる、という倒置。例えば、I have gone が倒置されると、have I gone になる。
生徒 はい。
講師 じゃあ、you can swim は疑問文の語順になるとどうなる?
生徒 can you swim
講師 では、I knewだったら?
生徒 did I know
講師 オーケーです。では、次に、どういう時にこういう形での倒置が起こると習いましたか。
生徒 否定の言葉が前にくる時って書いてありました。
講師 わかってるじゃない。still less という表現は文法の参考書で覚えませんでしたか。どんな意味でしたっけ。
生徒 「ましてや〜ない」
講師 そうそう。ということは否定ですよね。( still less の部分を四角で囲みながら ) 否定の表現の後に、( did I know の部分に波線を引きながら ) 疑問文の語順が来ている。
生徒 なるほど。
講師 要するにこの下線部では倒置が起きていたのです。だから、訳す時には、did I know の部分は、I knew だと思って訳せば問題ないです。
生徒 はい。
講師 多分、倒置がどういう時に起こるのかはきちんと押さえられていたのだと思います。でも、どのような形で倒置が起こるのか、の理解が曖昧で今回の英文では倒置に気づけなかったのだと思います。

ポイントのまとめ

  • 倒置に関しては、①どのような時に、②どのような形で、倒置が起こるのかの2点を押さえて学ぶこと。
  • 自分があることを正しく理解できているかどうかを確かめる際の方法として、自分がそれを人に説明できるか試してみる、という方法がある。

グノリンク の授業の特徴

上の授業で行われていたことをまとめますと

  1. 生徒の目から英語がどのように見えているのか、の確認
  2. それがなぜ間違っているのか、の指摘
  3. 正しい見方の紹介

という3つの段階を経たものとして考えられます。
生徒の誤った見方が正しい見方に変化するためには、この3つのステップを踏む必要があります。