こんにちは。リンクぺディアの3分コラムを読んでくださってありがとうございます。

皆さんは、定義をしっかりと暗記していますか?数学を進めることにおいて、定義の暗記は絶対であると筆者は考えます。といっても、必ずしも一字一句丸暗記する必要は無く、意味を押さえて誤解無く伝わる表現ができれば十分です。

筆者がグノリンクで授業をしている中で、定義を疎かにしたことで失点している生徒さんを多々見かけます。改めて定義の大切さをお伝えしたいので、お付き合いください。

 

定義とは何か

そもそも定義とは何かですが、定義とは名付け・対応付けのことです。あることがらに名前を付けたものや、あることがらと名前や表記などを対応付けた決まり事を、我々は定義と呼んでいます。たとえば、

① $4$ の平方の値を整数値で答えよ

② $4$ の平方根の値を整数値で答えよ

③ $\sqrt{4}$ の値を整数値で答えよ

この3問の違いを明確に捉え、正しく答えられるでしょうか。うまく答えられない方は、定義を曖昧にしているかもしれません。答えは「(1)16 (2)±2 (3)2」です。間違えた方は、「平方」「平方根」「√」の定義の違いをしっかり確認してみてください。

特に問題なかった方は、次の問題を考えてみてください。

以下の二重根号を解け

④ $\sqrt{5+2\sqrt{6}}$

⑤ $\sqrt{4-2\sqrt{3}}$

⑥ $\sqrt{1-\sqrt{1-a^2}}$ ただし $|a|\leqq1$ とする

筆者の印象では、受験生の中にもちらほらとこの問題で間違える方がいます。また正解していても、理由の説明には苦戦する方が少なくない印象です。おそらく原因は、解法と定義を紐づけて考えていないからだと思います。二重根号は難しいと感じている方も多いかもしれませんが、定義と見比べてみると当たり前のことをしているに過ぎない問題であると、筆者は考えます。

 

なぜ定義を覚える必要があるのか

筆者の中では上記の内容が既に答えなのですが、改めて言うならば定義を覚えていないと(数学的な)会話ができないからです。筆者の主観ですが、定義の暗記は英単語や古文単語の暗記と同等に基本中の基本です。

例えば、導関数やネイピア数の定義をしっかり説明できますか?簡単なものではありますが、普段問題を解くにあたって使用頻度が高いものではありません。これらを覚えていない場合は、以下の問いに苦戦すると思われます。

極限値を求めよ(数Ⅲです)

① $\displaystyle\lim_{n\rightarrow{0}}\frac{\log(x+1)}{x}$

② $\displaystyle\lim_{n\rightarrow\infty}(1-\frac{1}{2t})^{3t}$

2問とも、定義と見比べてみればさほど難しいものではないです。苦戦した・間違えたことのある方はおそらく、「言われてみれば…」と感じたのではないかと思います。言われて初めて気付くものは、うろ覚えであることが考えられますので、再確認してみることをお勧めします。

 

数学は定義を積み重ねた学問ですので、定義の暗記は欠かせません。問題演習の中で説明できない単語が出てきたら、その都度定義を確認して覚え直すようにしてみましょう。