こんにちは。個別指導グノリンクの「リンクペディア 3分コラム」を読んでくれてありがとうございます。
グノリンクには東大を目指す中高生が多く通っています。そのような関係で、巷で聞くことのある東大受験のテクニックについて、その妥当性を検討したいと思います。
今回検討するのは、英語の要約問題に関する次のテクニックです。

「要約問題では対比を見抜け。その対比を軸にして要約を作成せよ」

さて、このテクニックはどこまで妥当性があるのでしょうか。

1. 対比とは何か。そして対比を見抜くと、なぜ要約がしやすくなるのか。
対比を、複数のものの比較を通じてあることについて論じること、と定義しておきましょう。重要なのは、対比とは主張のための手段である、ということです。したがって、対比を見抜くことで主張が何かを見抜きやすくなるのです。対比を要約の中に入れることで点数がもらいやすくなります。
2. 対比を見つけたとしても、その対比が重要ではないことも。
しかし、対比のみを要約作成の根拠とすると、失敗する可能性もあります。例えば、文章全体の流れは「Aである。したがってBである」という流れであるにもかかわらず、Bについて明確にするために対比が使われる可能性があります。この際に対比ばかりにとらわれて要約を作成してしまうと、根拠であるAを要約に盛り込めなくなるでしょう。要するに、文章の中に対比が含まれていたとしても、結局はその対比が文全体のなかでどういう役割を担っているかを見抜かないといけません。つまり、このテクニックをうまく生かすためにはそもそもテクニックなしで要約をするための力、文章全体の構成を見抜く力が必要になるのです。
3. 対比が使われない文章も当然ある。
最初に確認した通り、対比は主張を行うための一つの手段に過ぎません。ですので、対比を用いずに主張を展開することも可能です。実際に対比が使われていない文章が東大の要約問題で過去に出題されています。
まとめ
対比を見抜くというテクニックは最後の手段として考えるべきでしょう。つまり、短い時間で要約問題の答案を作らないといけない時や要約問題が苦手だけど少しでも点数を取りたい人のためには採用する価値があるテクニックです。そうでない場合には、やはり地道に論理展開をおって答案を作成するのが無難です。