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東京大学の過去問について簡単な解説と、それを踏まえた勉強のアドバイスをしていきます。

今回は英語の自由英作文についてです。

【取り上げる過去問:2005年度東京大学過去問】
次の文中の空所を埋め、意味のとおった英文にせよ。空所 (1) 〜 (3)を合わせて40〜50語とすること。

Communication styles differ from person to person. For example, some people (1)___________________________________________, while others (2)_____________________________________________. Therefore, the most important thing in human communication is (3)________________________________________.

この問題で東大が見ようとしていることは明らかに、英文同士の論理的関係を意識して文章を書く能力があるかどうか、です。
上の問題内では、For example, while, Therefore といった言葉に注目して、各空所に何を書くべきかを決めないといけません。

ただし、単に隣り合っている英文同士の関係を見るだけでは不十分です。
上の問題では、第二文は第一文の主張を例示する役割を持っています。
したがって、第三文の Therefore は、第二文の内容ではなく、第一文の内容を意識して書かなくてはなりません。
要するに、ある主張をするという目標を考慮した上で、各文の役割を考える能力も求められているのです

この能力を養うための方法として、少なくとも次の2つのことができるでしょう。

1つ目は、英語の論説文を読む時に、その文章が何を目標として書かれているのかを明確に意識しながら読むこと
漫然と一文一文を訳すのではなく、それらの文がどのような目標に向かって書かれているのかを考えましょう。

2つ目は、自由英作文を書く際に、自分が主張したいこと、その主張をどのような根拠や具体例で支持するかを事前に考えることです。
この能力は自分一人では最初は身につけづらい能力でしょうから、先生の意見を聞きつつ練習するのがよいでしょう。

巷でまかり通っている自由英作文のテクニックは、このような論理的関係を考えさせないという影響を持っていることが多いので注意が必要です。
例えば「Of course, … But …」というテクニックがあります。この表現は、自説に対して想定される反論を自ら提示して、それを論駁することで初めて効果を出します。
しかし、多くの受験生はこの表現を効果的に使えていません。
ただ反論を持ち出して、それを潰すことをせずに、but以降で自分の主張を押し付ける。
そのような何を主張したいのかよくわからない英文に出会うことが本当に多くあります。
あるテクニックを耳にしたら、それを効果的に使うためには何に気をつけるべきなのかをよく考えた上で使うようにしましょう