こんにちは。個別指導グノリンクの 『リンクペディア 3分コラム』を読んでくれてありがとうございます。
さて、これまでに、語源的知識を使った英単語の勉強にまつわる限界を確認しました。この限界を踏まえた上で、こういった知識をどのように使用すべきかについて考えて行きたいと思います。
1. 覚えるべきことの数を減らすために
多くの単語に使用されている接頭辞・語根・接尾辞を覚えることで、単語一つ一つの意味を覚えるよりも、覚えるべきことの数を減らすことができます。このことは様々な語源に関する本でも述べられていることですので、例示は省きます。
しかし、これまでで確認したように、接頭辞・語根・接尾辞の3つの要素を組み合わせてできる意味と、その単語の辞書に載っている意味の間には隔たりが存在する場合があるので注意してください。単語によってはこの隔たりが気にならないこともあるでしょうし、気になって納得できないこともあるでしょう。例えば、『鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁』の195ページには subscribe の語源的説明として、「sub-(下に)+scribe(書く)→『下にサインする』→『定期購読する』」と書かれています。接頭辞と語根の意味を組み合わせた「下に書く」という意味と、『下にサインする』までの間には、そして『下にサインする』から『定期購読する』までの間には大きな隔たりがあるように見える人と、そうでない人がいるかと思います。このような隔たりが気になるようであれば、違う形で語源的知識を使うのが良いでしょう。
2. 思い出すための目印を増やすために
単語の意味を思い出す際に、語源的な知識はその目印として機能することができます。例えば、よくある例ですが、temporary の意味を思い出す時に、temp という語根に注目して、「temp→テンポ→時間に関する単語だ→『一時的』という意味か!」などというように。
3. 単語のグループ分けに
そして主に語根を中心として単語のグループ分けを行い、暗記を効率化することもできます。例えば、cur(走る)という語根を軸にして、concur, course, current, excursion, incur, occur, recur などの単語をひとまとめにできます。
最後に:語源にこだわる必要はない。
皆さんには語源的知識をうまく使っていただきたいと思っております。ここでいう「うまく使う」とは、語源的知識が持つ限界を認識した上でしかるべきに使うこと、およびしかるべきでない時には違う方法を使うこと、を含みます。上にあげた、語源的知識を使うことのメリットは、他の方法によっても実現可能です。
● 覚えるべきことを減らす → 語呂合わせによって可能。語呂合わせによって英単語を覚えるための単語帳も市販されている。
● 思い出すための目印を増やす → 例えば、ある単語を自分がすでに知っているカタカナ語と結びつけることによって可能。lure を覚える際に、釣りに使われるルアーと結び付けて考える、など。
● 単語のグループ分け → 語根以外の観点からもグループ分けは可能。例えば、医療に関係する単語グループのように単語の意味に注目したグループ分けが一般的にはよくある。しかし、オリジナルのグループ分けを創意工夫で発明して良い。
英単語の暗記を効率化するのは、語源的な知識だけではありません。単語によって方法を使い分けるのが最も望ましいでしょう。
そして、この使い分けの方法は生徒一人一人で異なるでしょう。単語の勉強法について悩んだら先生に相談してみてください。