なぜ間違えたのか、までわかる個別指導
個別指導の特徴は「生徒一人ひとりに合わせた授業」ができることです。
GnoLinkが実践している「生徒一人ひとりに合わせた授業」の一端をここで紹介します。
【生徒へのアプローチの5段階】
① 生徒の質問や誤答はなぜ生じたのかを考える
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② その原因に対して仮説をいくつか立てる
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③ 生徒に質問をして仮説の正しさを確かめる
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④ その生徒にとって分かりやすく丁寧な解説をする
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⑤ 定着を図る(家庭学習の指示と徹底したチェック)
上記の①~⑤を貫いているのは、
「自分の目の前にいる生徒がなぜ間違えたのか、なぜわからないのかを明らかにして、それを解決する」
という方針です。
同じ問題に対して同じ間違いをした生徒がいたとしても、その間違いに至った原因は一人ひとり異なります。
生徒との対話の中で、生徒の感じている「わからない」に耳を傾け、生徒が抱えている固有の問題を発見し、そこから抜本的な解決を図る。
これがGnoLinkの考える、「生徒一人ひとりに合わせた授業」です。
それでは、教科ごとにGnoLinkが実践している生徒一人ひとりに合わせた授業をのぞいてみましょう!
グノリンクが実践する「生徒一人ひとりに合わせた授業」~算数編~
根本的な理屈を理解させ、自分の頭で考える力を養成することが、成果につながる個別指導の本質であると考えています。その実例を実際の算数の授業の様子から紹介します。
■問:兄が3歩進む間に弟は2歩進み、兄が4歩で進む距離を弟は9歩で進みます。弟が出発してから190歩進んだとき、兄は弟と同じ出発点から出発して、歩き続けている弟を追いかけはじめました。兄は出発してから何歩で弟に追いつきますか。
生徒(6年)が次のように解答しました。
190÷(3-2)=190 答え 190(歩)
講師:「3×4と2×9で兄:弟の速さの比は2:3ではだめなの?」
生徒:「兄が弟より早かったら追いつかなくて変だと思ったし、それに、前に似たような問題をやったとき比を逆にしたような気がするから。」
ここで私達は以下のように考えます。
- 歩幅と歩数から速さの比を出せる、という理解が不十分なのではないか
- 兄が弟を追いかける時は2人の速さの差で距離は縮まっていくという考え方はできているようだ
- 逆比をなんとなく使っているようだ
そこで急遽次の問題作って生徒の理解を確かめます。
■講師作問:兄が3歩で進む道のりを弟は4歩で進み、兄が5歩進む間に弟は6歩進みます。兄と弟の歩く速さの比を求めなさい。
講師:「180㎝の道のりを兄が3歩、弟が4歩で進んだとすると、2人の歩幅は?」
生徒:「兄は1歩60㎝、弟は1歩45㎝…歩幅の比が兄:弟=4:3だから…これが逆なんだ!」
講師:「では速さの比と距離の比も逆?」
生徒:「それは逆ではないです。」
『速さの比と時間の比は逆比になる』
これは、速さの問題をたくさん解いていると当たり前のように使っています。しかし、どのような場合に逆比の関係を使うのでしょうか。逆比の関係になるのはどういう条件の時なのか、を「覚える」のではなく「理解」してもらうことに重点をおきます。そしてこの問題を通じて、次の3点を生徒と確認します。
①歩いた距離が一定のとき、歩幅の比と歩数の比は逆比になる。
②歩いた時間が一定のとき、速さの比は距離の比と等しい
③距離の比=歩幅の比×歩数の比
このあと、冒頭の問題に戻って生徒自身に考えてもらい、
生徒には、速さの比を正しく出せるような速さと比に関する問題の課題を出します。
逆比の関係は、他にどんなところに存在しているのか生徒さんに見つけてほしいのです。
速さと比の問題に慣れたころ、水量と深さ(同量の水を底面積の異なる水槽に入れるとき、深さは底面積の逆比になる)や、食塩水(2つの異なる食塩水を混ぜ合わせるとき、重さの比は濃度差の比の逆比になる)など、条件によって逆比になる他の単元の問題を課題として出していきました。