こんにちは!個別グノリンクの『小学生の君に送る60秒コラム』を読んでくれてありがとう。今日は「ダイヤモンドと黒鉛」についてです。

 

最も硬い物質は何でしょう?…正解、ダイヤモンドです。

では、ダイヤモンドは何でできているでしょう?…正解は、炭素です。

では、鉛筆の芯(黒鉛)、これは何でできているでしょうか?…これも炭素です。

このように、ダイヤモンドと黒鉛は同じ炭素でできているにも関わらず、見た目や硬さといった性質が全く異なっています。これは何故なのでしょうか?

 

この謎の解明には炭素がまずどういったものかを知らなければなりません。炭素は原子の一種です。原子というのは、物質を構成する基本的な粒子(つぶ)のことを言います。そして、全ての物質は原子が手をつなぐように結合してできています。この手の数は原子ごとに異なり、炭素は4つ持っています。

 

ダイヤモンドと黒鉛は両方炭素のみでできていました。

1つの炭素原子はいくつの炭素原子と結合できるでしょうか。例えば、4つの手にそれぞれ1つずつ炭素原子が結合すれば、4つの炭素原子と結合できます。

では、これら4つの炭素原子はどう配置すれば良いでしょうか。原子同士が窮屈にならないよう、できるだけ間隔を空けるようにしてみます。

正解は、正四面体の頂点に一つずつ配置される、です。十字を描くように配置した人が多いかもしれませんが、こちらの方が間隔が広がります。

この正四面体構造をとるのがダイヤモンドです。正四面体はとても安定した構造なので、ダイヤモンドは最硬の物質となっているわけです。

 

黒鉛は、4つの手のうち3つの手に1つずつ炭素原子が結合し、これらは正三角形の頂点に配置されます。つまり、これをつないでいくと平面のシート状の構造ができることになります。このシートが重なってできたのが黒鉛(鉛筆の芯、グラファイト)です。互いの層は緩くくっついてはがれやすいので、紙の繊維で良く削れ、字を書くことができます。

 

つまり、元が同じ元素でも構造・配置で性質が全く変わるのです。このような物質を同素体と言います。