こんにちは。個別指導グノリンクの 『リンクペディア 3分コラム』を読んでくれてありがとうございます。
この記事では英文解釈に関して生徒と講師の間で行われるやりとりをご紹介します。グノリンクの実際の授業で行われたものを念頭に創作した事例です。最後にグノリンク の授業方法について簡潔にまとめます。
問題と生徒の回答
以下の英文を訳しなさい。 生徒の回答 |
グノリンク の授業紹介
この答案から、講師は生徒と以下のようなやりとりをします。
講師 うん。この英文の構文を一言でいうと何になりますか。 |
生徒 強調構文。 |
講師 うん。なぜそう言える? |
生徒 えっと、it is のあとが副詞だから。 |
講師 よし。ということで、強調構文であることは見抜けていますね。で、気になるのが、「歌うための何か」についてなんですけど。 |
生徒 (笑いながら)はい。自分でもそこ変だなと思ってました。 |
講師 これとこれの違いはわかりますか(「something to sing」「something to sing about」と書く) |
生徒 …うーん。 |
講師 うーん。これわかんないな。 |
生徒 はい。 |
講師 じゃあ、たぶん見たことがある表現から考えましょうか(「something to write with」「something to write on」とに書く)。この二つの違いはどうでしょうか。わかる? |
生徒 一つ目が「書く時に使うもの」ペンとか。二つ目が「上に書くもの」で、紙とか。 |
講師 そうそう。その理解に至るまでに、こんな風に考えませんでしたか。something to write with だったら、頭の中で something を with の後に持ってきて、write with something にする。そうすると、「何かを使って書く」という意味になるので、それを元にして考えて、「書く時に使うもの」と訳す。 |
生徒 はい。 |
講師 それと同じことを、先ほどの例でも考えてみましょうか。something to sing は頭の中で sing something に変換にして、something to sing about は sing about somethingに変換する。そうすると、この二つの違いがわかってこないだろうか。 |
生徒 あー、something to sing は要するに「歌」ですよね。 |
講師 そうそう。で、something to sing about は? |
生徒 えーと、なんですかこれ。「何かについて歌う」ですよね。うーん。 |
講師 難しいか。ラブソングを例に考えてみればわかると思う。もうこれ以上ヒント出すと答えになる。 |
生徒 ああ、愛か。 |
講師 そうそう。something to singが歌だとすると、something to sing aboutはその歌のテーマですね。 |
生徒 じゃあ、どう訳せばいいんだ。「何か歌うテーマ」? |
講師 あ、悪くないと思いますよ。私であれば「歌いたいこと」とか「口ずさむこと」とかにすると思う。 |
生徒 なるほど。 |
講師 まとめます。不定詞の形容詞用法で、前置詞の後ろに目的語がない時は、どうやって考えればいいの。 |
生徒 something を後ろに持ってきて考える。 |
講師 えっと、まあsomethingに限ったことではないけれど、修飾されている名詞ね。この名詞を前置詞の後ろに持ってきて考える。 |
生徒 はい。 |
ポイントのまとめ
● something to sing about のように「名詞 to do 前置詞」というフレーズは、名詞を前置詞の後ろに持ってきてから意味を考えるとわかりやすい。
グノリンク の授業の特徴
以上のグノリンクの授業の流れをまとめてみます。
1. 生徒の誤答を見て、何がわかっていないのかを明確にする。
2. 生徒がすでに持っている理解や知識について確認する。
3. それの応用として、新しい内容を教える。
今回の例は、適切な考え方を生徒はすでに持っていたものの、それを適用する範囲が狭すぎたことが誤答の原因でした。ですので、最終的に講師はこれが広くなるようにまとめをしています。