こんにちは!個別グノリンクの『小学生の君に送る60秒コラム』を読んでくれてありがとう。

皆さんは文章を書く時に、ひらがなやカタカナや漢字を意識して使っていますか?

つなぐ、繋ぐ、ツナグ。

読み方は同じでも、比較して文字を並べるとずいぶん印象が違って見えます。

文法ではツナガルは自動詞、ツナゲルは他動詞となります。強い気持ちを持って、つなげようとすることがツナグ。つないだことによる結果がツナガル。似ているようですが、ニュアンスが少し異なりますね。

カタカナの文章で有名なのは、宮沢賢治の【雨ニモマケズ】です。「雨ニモマケズ 風ニモマケズ」の文章は有名なのでどこかで聞き覚えがあると思います。

漢字とカタカナで書かれているこの詩は「サウイウモノニワタシハナリタイ」と結ばれています。パッと見ただけでは意味がわかりにくいのですが、声に出して読んでいくにつれ文節が頭に入ってきます。モノは物なのか、者なのか。イメージを膨らませながら読むことで、「そういう人になりたい」という意味だったのか、と腑(ふ)に落ちるわけです。

宮沢賢治がなぜこのような書き方をしたのか諸説ありますが、実際のメモを見てみると力強い筆跡のカタカナの海にまるで漢字が浮かび上がるように見えます。

カタカナのおかげで漢字が際立ち、漢字のおかげでカタカナが際立つ。音読だけでは伝わらない文字の力がここに存在しているのです。書き手はこだわりを持って文字を選び言葉をつむぎ、自分の世界を創り上げているのだとわかりますね。

ですから、テストで書き抜きの問題の際、勝手に表記を変えては困ります。文章に書いてある通りに、カタカナはカタカナ。ひらがなはひらがな。漢字は漢字。句読点も正しく写す。書き手は自分の思いを文字に変換して、誰かに贈っているのです。五感すべて総動員させ、正しくくみ取ってください。

読書とは、自分の体験したことのない世界、知識や感動の世界を自分にツナゲルこと。サラッと表面だけ文字を追うだけではツナゲルことにはなりません。知らない言葉を調べたり、時代背景を確認したり、自ら情報をツナグという強い意志、覚悟も時には必要なのです。

人が人とツナガルために、何をツナグのか。

国語の勉強は人生を豊かにするものです。今の自分から未来の自分へ。ぜひ橋渡しの楽しみを味わってください。