こんにちは。リンクぺディアの3分コラムを読んでくださってありがとうございます。
今回は応用問題の解き方についてです。
基礎はできているのに、応用問題になると極端に正答率の下がる方も多いのではないでしょうか。ある程度下がるのは当然ですが、極端に下がる場合は基礎を使いこなせていない可能性が高いです。多くの場合、原因は簡単な問題に落とし込むことができていないことだと思われます。つまりは自分が過去に解いたことのある問題との類似点を発見できていないのです。
普段の取り組みの中で意識して欲しいことは、「全てにおいて理由を気にする」「なんとなくで解かない」の2点です。
数学を取り組むにあたって、「なぜ?」と感じることは非常に大切です。解法暗記を完全に否定するわけではないですが、暗記に頼りきっていると解けない応用問題が存在します。ただ、暗記してしまえば素早く解けるのもまた事実ではありますので、暗記と理解のバランスを取ることが重要だと言えます。
例えば、次の3問について考えてみてください。上から、応用問題、典型問題、基本問題となっています。
(1) $ y = x^3 – x^2 – 6x + 11 , y = -2x^3 + 5x^2 + 6x + 11 $ の共有点を全て通る放物線の式を求めよ
(2) $ (x-2)^2 + (y-3)^2 = 5 , (x+4)^2 + (y-1)^2 = 25 $ の共有点と(-5,4)を通る円の方程式を求めよ
(3) $ y = \sqrt{2}x – \sqrt{5} , y = -\sqrt{3}x + 2\sqrt{6} $ の共有点と原点(0,0)を通る直線の式を求めよ
上記3問、全く同じアプローチから解けることに気が付きますか?
解法を暗記しているのであれば、(2)は簡単に解ける場合が多いと思います。「束(そく)」という考え方ですね。
では(1)や(3)はいかがでしょう。束が使いこなせない場合は、計算が大変になってしまいますね。対して、束という考え方がどういう時になぜ使えるのかを理解していれば、この考え方を使って比較的簡単に解けます。計算量もとても少なく済むため、計算ミスをするリスクもかなり下がります。
数Ⅱ円の方程式の単元で円束を扱いますので、内容をよく確認してみてください。条件が整えば、かなり応用の効く考え方となります。
また問題を解くにあたって「なんとなく」解法選択をすることもあると思います。中には本当になんとなく解けてしまったものもあるかもしれません。しかし、大抵の場合は、理由を自覚できていないだけです。なんとなく解けてしまった場合は、自分はその問題のどこに着眼点を置いて解法を決定したのか、じっくり考えてみることをお勧めします。その問題のどこかしらに、自分が過去に解いた問題との類似点を見つけているからこそ正しい解法を選定できているはずです。それが自在にできるようになれば、応用問題であっても簡単な問題に落とし込むことが可能になるでしょう。
着眼点を丁寧に説明してくれている問題集は、数研出版のチャート式各色(テキスト内の指針やCHARTの部分)や、啓林館のFocusGold(テキスト内の考え方やFocusの部分)、東京出版の一対一対応の演習(テキスト内の解答上部)、あたりがお勧めです。