こんにちは。リンクぺディアの3分コラムを読んでくださってありがとうございます。
グノリンクには東大を目指す中高生が多く通っています。そのような関係で、巷で聞くことのある東大受験のテクニックについて、その妥当性を検討したいと思います。
今回検討するのは、英語の段落整序問題に関する次のテクニックです。

「段落整序問題は、各段落の最初と最後の文を読めば、解ける」

さて、このテクニックはどこまで妥当性があるのでしょうか。

1. このテクニックはなぜ出てきたのか。
このテクニックが提唱されるようになった根拠として考えられるのは、いわゆるアカデミックライティングです。これは学術的な文章を英語で書く際の作法として広く説かれているものです。
アカデミックライティングでは、段落を次のような構成にすることが推奨されています。すなわち、段落の冒頭でその段落で主張したいことを書き、中盤ではその主張の根拠や詳しい説明を書き、最後の英文でもう一度主張を繰り返す、という構成です。
したがって、この書き方に従っている段落であれば、段落の最初と最後に注目すれば、その段落の主張がわかる、ということになります。段落整序で問われているのは、筆者の主張の流れを読み解くことであるとすれば、各段落の主張を読み取るだけで、その流れもわかるはずです。
というわけで、このテクニックが出てきたのだと考えられます。
2. 果たしてこのテクニックで本当に解けるのか。
さて、このテクニックは本当に上手くいくのでしょうか。英語講師の私が、2016, 2012, 2011, 2010, 2009, 2008年の東大の段落整序問題をこのテクニックを使って、解いてみました。その結果を発表します。
● 2018→並び替え成功
● 2012→全然違う答えになってしまった。
● 2011→そもそも答えを出せず。
● 2010→そもそも答えを出せず。
● 2009→並び替え成功
● 2008→惜しい。ウエアイが正解であるところを、イウエアにしてしまった。ウエアの流れは正しく答えることができた。
ということで、3割ほどで正解を出すことができました。
字数の関係で今回の記事はここまでです。次の記事では、この経験からこのテクニックの限界や、このテクニックを使うべき条件について考えていきたいと思います。お楽しみに!