こんにちは。リンクぺディアの3分コラムを読んでくださってありがとうございます。
グノリンクには東大を目指す中高生が多く通っています。そのような関係で、巷で聞くことのある東大受験のテクニックについて、その妥当性を検討したいと思います。
前回の記事から検討しているのは、英語の段落整序問題に関する次のテクニックです。

「段落整序問題は、各段落の最初と最後の文を読めば、解ける」

前回の記事では実際に英語講師の私がこのテクニックを使って、段落整序の問題を解いてみました。結果は3割ほどの正解率でした。この経験からこのテクニックについて評価してみましょう。
1. 筆者がアカデミックライティングをしているとは限らない。
まず、前提が崩れることがあります。文章が学術的ではない問題も出ています。また、たとえ学術的な文章であったとしても、それがアカデミックライティングにしたがって書かれていない可能性も大いにあります。したがって、このテクニックの前提が崩れ、結果的にこのテクニックが使えなくなることがあります。
2. 成功するケースでは、ある予想があたっている。
そして、成功しているケースについて思い返してみると、次のことがわかってきました。それは、ある段落の最初と最後の文を読んだときに、その文の意味から段落の内容を正しく予測出来たときにのみ、並び替えに成功していた、ということです。しかし、このように正しく予測する時に使う力は、この段落整序という問題をこのテクニックを使わずに解く時に使う能力です。すなわち、このテクニックを正しく言い換えると次のようになるでしょう。「実直に文章を全て読んで正しく解くことができる人であれば、段落整序問題は、各段落の最初と最後の文を読んで解くことができる」。要するに、このテクニックを使って問題が解ける人は、このテクニックを使わなくても解ける人だということです。単なる時間短縮のためのテクニックだと考えるべきでしょう。
まとめ
まずは実直に全文を読んで解けるようになることを目指しましょう。そうなった後であれば、時間短縮のためにこのテクニックを採用してもよいかもしれません。しかし、それで正答に辿り着けるかどうか、かなり運任せになります。