こんにちは。リンクぺディアの3分コラムを読んでくださってありがとうございます。
この記事は「東大受験テクニックの検討③-1 正誤問題」の続きです。
前回の記事から検討しているのは、英語の正誤問題に関する次の考え方が、東大の正誤問題でも同じように適用できるのかどうか、ということです。

「文脈把握」が必要な問題は捨て、「構文」と「語法」だけで考えて解く」

この考え方の通りに英語講師の私が正誤問題を3年分解いてみたところ、以下のような結果になりました。
どの年度も出題数は5問です。
2019年度 → 確実に分かるのは、2問。
2020年度 → 労力の差はあれど、全て解けた。
2021年度 → すぐに解けたのは、2問。
<このテクニックは東大でも有効?>
結論から申し上げますと、有効とは言えません。以下に理由を挙げます。
1. 長文中の出題であるため、文脈の理解は必須と考えた方がよい。
東大は、正誤問題が短文ではなく長文の中で出題されています。そのため、文脈の把握をせずに答えが分かるような問題をわざわざ作るとは思えません。長文で出題されるということは、内容を理解して解く必要がある、ということです。また、長文という形式にすることによって、東大が受験生に求める「英語による受信力・批判的な思考力」を求めていることを考えると、このことは納得できます。
2. 「文脈把握」「構文」「語法」の判断が難しい。
東大の正誤問題は、長文中にある下線部が長めなので、上記3つのどれから考えれば解けるのか分かりづらいことが多いです。簡単に判断できる場合もありますが、そうではない場合、結局、前後の構造や文脈を正確に把握する必要があり、時間がかかってしまうことになります。
<どのように解くのがベストか?>
やはり、英文を素早く正確に読み進めながら内容を理解して、下線部を1つずつ吟味していくしかありません。
ただ、正誤問題に対する配点はそれほど多くないと予想されます。どの問題で点数を取るかということも重要ですので、「正誤問題が苦手で、試験中にあまり時間をかけたくないが1つでも正解したい」という受験生の方には、「構文」と「語法」だけでチェックしてみるのも1つの手だと思います。実際、1~2問は文脈を把握せずに解けることがあります。ただし、かなり運任せになってしまいます。