こんにちは。個別指導グノリンクの 『リンクペディア 3分コラム』を読んでくれてありがとうございます。
この記事ではグノリンク の英語授業で見えてきた英語に関する間違いをご紹介します。同時にグノリンク の授業の様子を例示しつつ、最後にはグノリンク の授業の特徴についても簡単にご説明します。
問題
問題:以下の日本語を英語にしなさい。 あなたはどの国に行きたいですか。 ある中学生の答案: What country do you want to go? |
グノリンク の授業紹介
講師とこの生徒は以下のようなやりとりをします。(このやりとりは、実際にグノリンク で行われている授業を念頭において創作されたものです)
講師 | なるほど。とても惜しい答案ですね。 |
生徒 | え、これで合ってないんですか。 |
講師 | うん。惜しい。一度、違う問題で考えてみましょうか。例えば、英語で「あなたは何が欲しいですか」と言うとどうなりますか。 |
生徒 | えーと、What do you want? |
講師 | 正解。(紙に What do you want?と書く)今この英文を書いた時に、どういう思考をして書いたのかを確認させてください。「何」という言葉が入っているから、まず what で文を始めたという感じ? |
生徒 | そうそう。 |
講師 | なるほど。その後は? |
生徒 | 「欲しいですか」だから、do you want. |
講師 | そういうことか。学校で目的語という言葉はもう習った? |
生徒 | はい。 |
講師 | よし。では、I want this bag. という文の目的語は何ですか。 |
生徒 | それは、this bag です。 |
講師 | いいね。先程の疑問文に戻ります。What do you want? この文で目的語は何ですか。 |
生徒 | え。ない。 |
講師 | いや、実はある。文頭の what が目的語です。 |
生徒 | ああ。what って目的語になれるんですか。 |
講師 | そうそう。なれる。普通の肯定文で目的語だった this bag が what になって文頭に出てきた、と考えてください。 |
生徒 | はい。 |
講師 | これを踏まえて、最初の問題に戻ります。普通の肯定文から考えてみましょうか。じゃあ「私はこの国に行きたい」という文を英語にしてみてください。 |
生徒 | I want to go to this country. |
講師 | 正解です。今、最初に書いた自分の英文を見ると、間違いに気がつけるはず。どうでしょうか。 |
生徒 | to が足りないのか。 |
講師 | そうそう。なぜ to が必要なのか説明できますか。 |
生徒 | もともとの文の this country が what country になって文頭に出てきたから。to が残る。 |
講師 | その通り。本当にわかっているかどうかの確認をしますね。動詞 look を使って「君は何を見ているんだ」という意味の英文を作ってください。 |
生徒 | What are you looking? |
講師 | 違う違う。さっきみたいに普通の文を参考にして考えてみればいい。look を使って、「私はあなたのことを見ている」とどうやって言うの? |
生徒 | I am looking at you. |
講師 | そうですね。at が必要だった。だからさっきの疑問文はどうしないといけない? |
生徒 | What are you looking at? |
講師 | そうそう。ということで、この問題から得られる教訓は、疑問詞を使った疑問文ではまず普通の肯定文から考えると間違えにくい、です。リンクレポートに書いておきます。 |
ポイントのまとめ
- 疑問詞を使った疑問文では、平叙文から考えると間違えにくい。
- 疑問詞 what は平叙文のどこから文頭に出てきたのかを考えると、自分が書いた疑問文が正しいかを判断するヒントになる。
グノリンク の授業の特徴
上の授業で行われていたことをまとめますと
- 生徒の間違いの仕方を見て、生徒がどこでつまづいた可能性があるのかを想定する。例の中では、what についての認識が甘かった可能性を想定している。
- その想定が正しいのかを生徒との対話の中で確かめる。
- 確かめられたら、それを修正するために正しい考え方を教える。
- 同じ間違いをしないように、今後何をすべきかをまとめる。
となります。