こんにちは!個別指導グノリンクの『小学生の君に送る60秒コラム』を読んでくれてありがとう。
今回は、前回の理科のコラムに引き続き、化学計算の問題についてのアドバイスです。
化学実験を進めていくと、最初は比例していたのに途中で比例しなくなったり、グラフの動きが変化する問題が見られます。1つ例を挙げてみます。
問:
①表を見ると、発生した気体の量が途中から変化しなくなっている。その理由を答えなさい。
②上の表で塩酸とちょうど反応したときのアルミニウムの重さを答えなさい。
テストでは②で差がつくと思われますが、まずは①をしっかり説明できるようになりましょう。
塩酸にアルミニウムを溶かすと、水素が発生して塩化アルミニウムという物質になります。このとき、反応が起こる間は加えたアルミニウムの量と発生する気体の量は比例します。つまり、
反応を進めていくと、塩酸とアルミニウムは他の物質に変わっていく
⬇
試験管内の塩酸の量はだんだん減っていく
ということになります。
そのため、アルミニウムを増やしていくと、最終的に塩酸は無くなります。それ以降は、いくらアルミニウムを加えても塩酸がいないので水素は発生しなくなるのです。
ということで、①は「試験管内の塩酸が無くなり、反応が終わったから」という解答が導き出されます。
では、②について見ていきましょう。
この表を見ると、途中から発生した気体が1.4Lのまま変化しなくなります。「表で1.4Lになった最初のマスがアルミニウムが1.2gのところなので、答えは1.2g!」と答えてしまう生徒が多くいます。ところが、この問題の答えは1.2gではないのです。
比例が成り立っているならば、アルミニウム1.2gのときは0.3gのときに比べて4倍の気体が発生しているはずですが、よく見ると気体の発生量は4倍にはなっていません。
アルミニウム1.2gでは比例関係が成り立っていない
+
反応が起こっている間は比例関係が成り立つはず
⬇
アルミニウム1.2gのときには既に反応が終わっている
ことがわかります。
ちょうど反応したのは、「比例関係が成り立っていて、発生した気体が1.4Lになったところ」です。
発生した気体が0.4Lのときと比べて1.4÷0.4=3.5倍になっていますから、アルミニウムが0.3×3.5=1.05gのときだとわかります。
このように、表を利用する問題では、答えが表に書いていないこともあります。問題の状況や比例関係をしっかり意識して、答えを導いていきましょう。
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