こんにちは!個別指導グノリンクの『小学生の君に送る60秒コラム』を読んでくれてありがとう。

先日ニュースを見ていると、「今年は観測史上初めて、7月に台風が発生しなかった年になるかもしれない」という話がされていました。
確かに今年は降水は多かったものの台風が接近したという話は聞きません。それどころかそもそも台風が発生していなかったようです。
今回はその台風の発生について見ていきたいと思います。

皆さんは台風の定義についてご存知でしょうか?
熱帯で発生した低気圧のうち、最大風速が17.2m/秒以上になったもののうち、東経100度から180度に中心が存在するものを台風といいます。中心がこの範囲外にある場合は名前が変わり、アメリカ周辺では「ハリケーン」、インド洋などでは「サイクロン」と呼ばれるようになります。

つまり、台風が発生するためには太平洋の北西部や南シナ海、フィリピン海などで発達して風速が大きくなった低気圧が存在することが1つの条件になります。

空気が暖められた等の理由で膨らむと、軽くなり、高度が上がっていきます。この流れを上昇気流と言います。上昇気流が発生しているところでは空気の量が周辺に比べて少なくなるため、低気圧になり、雲の発生も多くなります。また、反対に高気圧では下降気流が発生し、雲の発生は減少していきます。

7月に台風が発生していない理由としては、
・太平洋高気圧が例年に比べ南西寄りに発達している

ことが挙げられるそうです。太平洋高気圧の発達した地域が台風が発生しやすい地域になったため、該当地域では低気圧が発達しにくくなっているわけです。

さらに、インド洋の海水温が高く、海上の空気が暖められ、上昇気流が発生しやすくなっており、発達した低気圧が発生しやすい状況でした。
上昇気流で高度が上がった空気は、下降気流が発生して上空の空気が少なくなっている場所に向けて移動します。そのため、上空の風は低気圧から高気圧に向けて吹きます。
その結果、インド洋の湿った空気が太平洋高気圧の周辺まで運ばれ、日本周辺では「風速が大きくないため台風ではないが強い雨雲が発生しやすい状態」になったと考えることも出来るようです。

日本周辺での7月の気象は例年に比べて特殊な状況になっていましたが、遠く離れた地域での現象が影響した可能性もあるのです。地球上の遠く離れた場所で発生した自然現象が、日本にも思わぬ影響を及ぼすこともあるのですね。

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