こんにちは!個別指導グノリンクの『小学生の君に送る60秒コラム』を読んでくれてありがとう。

突然ですが、用語を覚える時に、「何で漢字で覚えなきゃいけないんだろう…」と思ったことはありませんか?社会科の入試問題で漢字で書くように指定されていることも理由の一つですが、それ以外にも大きな理由が存在します。

それは、「漢字にはその字自体に意味がある」という理由です。

そのため「漢字で覚えたほうがその用語の性質を理解しやすい」ものが非常に多くなっています。

ここでは歴史で必ず取り上げられる、日本についての内容が記された古代中国の歴史書について見ていきましょう。

まずは「漢書地理志」です。これは漢という王朝について記された歴史書の中で、中華の周辺地域について記された地理志と呼ばれる部分ですが、その中の北東部についての内容の一部に倭についての情報が出てきます。その名の通り、広い範囲についてまとめられた項目のごく一部にしか記述がないため、簡単な情報のみ記されています。

次に「後漢書東夷伝」です。後漢について記された歴史書の中で、中華の東にある諸地域についてまとめられた項目が東夷伝です。その中に倭についても記されています。「漢書」よりも狭い範囲についてまとめられたからか、倭で発生した出来事の描写もあり、内容が豊富になっています。

そして「魏志倭人伝」です。これは書物の正式名称ではありません。「三国志」の中の一冊である魏書の中で、烏桓鮮卑東夷伝という部分があり、その中の一つの項目として倭人条が存在しています。この略称として「魏志倭人伝」が用いられているのです。ここまでの2つの書物に比べると、倭についての独立した項目があることからも分かるように、倭の歴史・内部の様子についてより詳しく書かれています。邪馬台国について記されているのもこの書物ですね。

このように、用語を漢字で理解すると、その漢字を見ればどのような用語なのかわかるものは非常に多くなっています。実際には他の言語の音に字を当てはめたために漢字の意味が特にない地名なども存在しますが、それも背景知識を学ぶ上で理解しておくと勉強の助けになります。

ただ書いて覚えるだけでなく、意味を理解しながら知識を深めると忘れにくくなりますね。

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