こんにちは!個別指導グノリンクの『小学生の君に送る60秒コラム』を読んでくれてありがとう。

皆さんの地理の勉強において、雨温図の理解は欠かせません。気温と降水量の特徴を理解することで日本や世界の様々な地域の気候について理解することが出来ます。ところで、雨温図も変化していくことをご存じですか?

気温と降水量は毎年計測されていますが、1年だけのデータだと極端な数値が出てしまうことがあります。その数値が1年だけの特別な出来事なのか、実は気候そのものが変化しているのかについてはその年のデータだけでは判断できません。
そのため、何年かの平均をとってデータを作成します。しかし、観測開始からすべてのデータの平均をとってしまうと、今度は逆に数値があまり変わらなくなります。そのため、ある一定期間の平均をとる手法が用いられます。
日本では気象庁が作成した30年分の平均を使用しています。この数値を「平年値」と呼びます。

この平年値ですが、10年刻みで更新されているため、現在使用しているデータは1981~2010年のものになります。これが新しいものに切り替わると、教科書や地図帳などが使用するデータも徐々に新しいものになり、雨温図も新しくなります。

この切り替わりのタイミングですが、前回の切り替わりは2011年5月でした。そのため、同様に準備がされているとすれば来年の5月から1991~2020年で作成した新しいデータが用いられることになります前回の更新では気温の上昇や日本海側での降雪量の減少が見られました。平均気温の上昇などを考えると、来年の更新でも雨温図に変化が見られることになるでしょう。

ちなみに、気象庁では日本以外のデータについても作成されており、これも同じタイミングで更新がされています。
2011年の更新結果を見ると、世界でも大きな気候変動が起きているようで、アテネや北京のように以前とは気候の説明が変わってしまった都市も存在しています

データが更新されても地図帳や教科書の数値が更新されるのはしばらく先になるでしょうが、皆さんが中学生や高校生になった時には今とは大きく違う雨温図になっているかもしれませんね

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