こんにちは!個別指導グノリンクの『小学生の君に送る60秒コラム』を読んでくれてありがとう。

さて、理科の授業で出てくる道具に方位磁針がありますね。
・使うとぐるぐる回って赤い針が北の方を向く
・磁石に近づけると針がそちらを向いてしまう
という性質から、「地球が実は巨大な磁石のようなもので、北極がS極になっている」という知識を持っている人も多いと思います。

さて、先日の授業である生徒からこんな質問を受けました。

月で方位磁針を使ったらどこを向くのですか?

地球上で方位磁針のN極が北を向くのは、地球が巨大な電磁石のようなものだからです。ということは、月がもし巨大な磁石であれば、月面で方位磁針を使うとどこかを向くはず…。と彼は考えたのです。

これまで人類が月面に着陸したのは1960〜70年代に行われた「アポロ計画」のときの6回だけです。この時に方位磁針を使ってみたという記録は残っていませんが、月面の磁場がどのようになっているかについては調査が行われました
その結果、

・月は全体が巨大な磁石というわけではない
・表面の磁場は基本的に非常に弱い
・ただし、何ヶ所か他の地点よりも磁場が強い地点がある

ということが判明しました。ということで、彼の質問への答えとしては、「月面では方位磁針が一定の場所を指すわけではないので、どの岩石の近くにいるかで変わる」という返答になるでしょう。
もしも月面上で方位を知りたい場合、方位磁針は残念ながら使えないということになります。

このように、月は地球から(他のものに比べると)非常に近い天体ではありますが、アポロ計画以降は人類が月面に着陸できていないように、簡単に行って調べることはできない場所です。それでも、地球からの観測だけでは分からないことも多いため、これまで様々な調査が行われ、データの分析が行われました。
地球の現象の中には、月が影響している出来事も存在します。今後も調査が行われていき、これまで知られていなかったことが判明していくかもしれませんね。

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