こんにちは!個別指導グノリンクの『小学生の君に送る60秒コラム』を読んでくれてありがとう。
理科の計算が苦手という人、いませんか?今回は、そんなみなさんへの1つのアドバイスです。
理科の計算問題の中には、実験の状況を整理した上で、比例が解決のポイントになる問題が多く存在します。
1つ例をあげてみましょう。
①銅4.0gを十分に加熱させました。加熱後の物質の質量を求めなさい。
②銅4.0gを加熱し、途中でその質量を測ったところ4.3gでした。このとき、酸化されずに残っている銅の質量を求めなさい。
銅を加熱すると、酸素と結びつき酸化銅という物質に変化することが知られています。この表を見てみると、実験の前後で全体の物質の質量は変化しないという質量保存の法則という考え方から、(加熱前の銅の質量)+(銅と結びついた酸素の質量)=(加熱後の物質の質量)という関係が成り立つことがわかります。そして、銅と酸素は一定の割合で結びつくため、表を見てみるとそれぞれが比例関係になっていることがわかります。
そのことを踏まえて問題を解いてみましょう。
①今回は銅が4.0gになっているので、表の一番左の0.4gのときと比べると質量が10倍になっています。
ということは、加熱後の酸化銅の質量も10倍になるはず。よって、0.5×10=5.0gとなります。
(別解の1つ:表を縦に見ると結びつく酸素の質量は加熱前の銅の0.25倍になっているため、4.0×0.25=1.0 4.0+1.0=5.0g)
この問題は比例を利用するとスムーズに解ける問題です。では、2問目はどうでしょうか。
②この問題も加熱前の銅の質量は4.0gなので、十分に加熱した場合は5.0gになるはずです。しかし、この問題では途中で加熱をやめたため、加熱後の物質が4.3gにしかなっていません。
この問題のポイントは、問題文にも書いてある通り、「銅が一部酸化されずに銅のまま残っている=加熱後に酸化銅の部分と銅の部分がある」ことです。
加熱後に銅のままである部分は、加熱前と比べて質量に変化はありません。一方、酸化銅になっている部分は、加熱前と比べると酸素の分だけ質量が増えているのです。
これを踏まえると、4.3−4.0=0.3gが銅と結びついた酸素の量だとわかります。よって、表から酸化された銅が1.2gとわかるので、酸化されずに残った銅は4.0−1.2=2.8gということがわかります。
このように、理科の計算問題では計算式自体は難しくないものの、問題文から実験の状況を整理しないと計算式を立てられないことが多くあります。何故その式になるのか、これまで以上に気をつけてみてくださいね。
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